第25作 寅次郎ハイビスカスの花
——-予告編—————————-
—–「ビール🍺冷えてるか♪」 予告編と本編のセリフの違い————
予告「今夜、美味しいお刺身あるよ」「そうか、おビール冷えてますか?」「もちろんだよ」「じゃ、頼みます」「じゃお風呂入ろう」「はい、行っといで」「一緒に入るか」「イヒヒ」
本編「今夜ね、美味しいお刺身あるよ」「おっそう、ビール冷えてるか?」「もちろんさ」「汗かいただろう。はい、お風呂いっといで」「はいよ。どうだお前も入るかおい」「もう入っちゃったよ」
1言の違いで、印象が変わる。本編の方が軽快でさっぱりしていて、二人にあっている♪
——花とマドンナの衣装——————————————–
・花の赤と衣装の赤
・花の黄と衣装の黄
——演出——————————-
①リリーさんを看病に行った寅さんが、反転、倒れて帰る。 演出:反転図式
リリーさん しっかり歩いて訪問。
②演出:つい手前の子供を見ている、と遠くからリリーさん。あっ、いつからリリーさんがいたかと思えば、最初から。 視線の誘導。1つの画面の端っこ、端っこで2軸の焦点。人の錯覚性利用さすが!
③演出:寅さんが外にいる時にリリーさん発見。 いつもの、玄関前に来る登場の仕方と違い、路上での再会で、リリーさんが駆けてくる演出が出来る。 やはり衣装は黄色ですね。
リリーさんだけでなく、寅さんも、駆け寄って走っていってるって、覚えてました?
④演出:「びっくりした」と、寅さんも言っているが、自転車で倒れたおかもちもの男性も「びっくり」したと、1画面で「びっくり」のセリフを2人が言っている。重層センスがうまい
——さらに、演出・反転図式—————————
沖縄では、リリーさんから「あんたと私が夫婦だったら別よ」リリーさんからのプロポーズ♪真夏の夜 寅さんは「お互い所帯なんかもつ柄かよ」、と流す。
(※同じ演出:牡丹(芸者)の「所帯もつ」の演出と一緒、同じ意味のセリフを逆の人が言う。反転)
柴又:寅さん「リリー俺と所帯もつか」。リリー「嫌ねえ、変な冗談いって」、と流す。
余談:いつもは見送りの寅さんが柴又駅で見送りもめずらしい画
—–-<夢>の連想—————————
夢:4つ。4場面でキーワードを、メインどころだけでなく、さりげない伏線 重層:映像的な伏線ではなく、セリフで分かりやすい伏線なのだろうが、さりげないので気づかない。 ①沖縄入院の時:「夢なんか見ねぇで」に早く寝ろよ →実はエンディングの「結婚しない」布石。 ②所帯のセリフ時:「あたし達、夢見てたのよきっと、ほら、あんまり暑いからさ」 ③御前様:シェイクスピア →これで合点がいく。 シェイクスピアを御前様が言うのが洒落ている。 一番言わなそうな人がいうので印象が出る。 うまい!「真夏の夜の夢」だからリリーさんの時、夜。そもそも御前様もリリーさんにお見舞い金を出しているので唐突感が無い。 うますぎ! ④ラスト:「俺はリリーの夢を見てたのよ」 これはかっこいい♪
最後の夢 ~御前様のセリフからラストでいっきにたたみかけ!~
数秒前までバスを止める手を挙げていたのに、寝る(うちわを落とす演技で、眠りが分かる)のは、 このセリフのため、夢=寝る。 演出の鬼♪
「はて、こんないい女をお世話した覚えはありません」 覚えが無い=幻=シェイクスピア真夏の夜の夢=シェイクスピアは悲劇が印象の中でめずらしい喜劇
④「俺は、おめえ、リリーの夢を見てたのよ」
シェイクスピア ~夏の夜の夢~ とある森の中、妖精の王と后は喘嘩の真っ最中。運悪くそんな折に森を訪ねた二組の男女は、そそっかしい妖精パックに惚れ薬を誤用されていまう。薬のせいで関係がこじれ決闘を始めてしまった二人の男を止めようと、妖精パックは必死に駆け回る
——-印象った残る名演技・2つ———————————–
・寅さんがリリーさんにプロポーズした直後の、箸を持つ”手”の震え。「俺何か言ったかな」
・リリーさんの「寅さ~んお帰り」の後の ”クネっ” カワ(・∀・)イイ!!
—–ラスト・再会————
寅さんがマドンナの故郷を訪ねるのではなく、旅先での再会は、リリーさんだからこそ♪