第17作 寅次郎夕焼け小焼け
ぼたんの言い回しが光る
ぼたん 寅さんとの会話のテンポの相性がよい。会話がすがすがしい。さらっと直球だが嫌味が無い♪
・「ところで何だ今日は?」「ご挨拶よ~。私と所帯持つって約束したやないの。」「ほかに好きな人出来たんやろ、この薄情もの」
※普通の会話なら:「何よ。私と所帯持つって言ったでしょ」 → これでは自分的で文句だけになり、会話が短絡。相手を考え、想像で棚に上げて、それに文句を言うので間接的だが直球を言っている。
・「いややわ寅さん。ひとりもんなんて嘘ばっかし言うて、こんなに可愛らしい奥さんがいてはるやないの。」
※普通の会話なら:「嘘つき! 奥さんいたの」 → ショックをそのまま口だけ。 だが、ぼだんは”可愛い”とほめる形容詞。「もうこんな可愛いなら仕方ないわね。」とか続きそう♪ 嘘+ばっかりも、「もう悪い人ね~」という、寛容な表現が浮かぶ。このあたりが寅さんが、とらやに求める会話思想かな。”素人には”とよく言っている。。
ぼたんとは会話の波長が合う。さらっと「所帯持とうな」とは受け手の寛容さがないと。 気持ちが入っていないわけでなく、世間だと重い表現を、逆に、気軽に言えるという。たいへん小気味のよい、言い回し。 言葉いじり、会話の理想形。
(比べて会話が下手なのがタコ社長。直球をタイミング悪い時に言う。まあ裏表が無くて良い)
『予告』 寅と老画家のおかしな旅
予告では、”みずみずしい” 笑いとのこと↓
”タコ”に”スミ”(筆で墨汁) これも水水しい
水に流してくれ
【 兵庫県龍野 】
ほだん 笑いが豪快♪
「東京の奥さん恋しいやろ」 質問ではない。初対面の方へすぐ質問攻めで、答えさすという聞き出しかたはしない。「私があなたを思うに、きっとそうなんでしょ~」と。 会話が柔らかい。
歓迎に寅さんの名前も。予告編のおかしな旅とは、可笑しいではなく、変な取り合わせのオカシイかな
「いずれそのうち所帯持とうな」「ほんま?うそでもうれしいわ」「あてにせんと待っとるからね」
【 柴又 とらや 】 ~セリフの対比構造~ 反転図式
寅さんが「何だ今日は?」 ぼだんが「所帯持つ」 ※エンディングでまったく逆に♪
【 再び兵庫県龍野 】
ぼたんが「何で!!」 寅さんが「所帯持つ」
同じセリフで、反転図式。 柴又での寅さんが「何だ今日は?」あの再会にしては短絡的な質問に違和感があったが、この対比の伏線♪
<対をなすシーンは他にも> ~方位 :こっち ~
・柴又の静観先生:「こっちが東か」、さくら「いえこっちです。東京はこっちです」
・龍野の寅さん:「東京どっちだ」ぼたん「こっち」「やっぱりこっちや」 寅さん「どっちなんだよ」